とある大手さんが入れているCMSを使って思ったこと
基本的にmodellaxはワンオフ関係の案件は受けつけていないのですが、知り合いの方からの紹介で、とある大手さんのCMSを触っていました。
開発しているものの何かの参考になればいいと思って、その大手さんが契約しているCMSを触ってみて思ったこと。それについて書きたいと思います。
とある大手さんは、最近サイトのリニューアルを考えていたみたいです。
そのため、現在のサイトから新しいCMSに乗り換え、その過去データを移すといった非常に端的な作業内容です。
そのCMSは国内外でのオープンソースなCMSというわけではなく、国内限定でパッケージ販売をしているタイプのCMSでした。
やはり、ごくごくよくあるCMSのように段階的に新着情報のページを作成できるようにしてあり、使いやすさなどを重視しているなぁと思ったのが最初の印象。
ブログを書くような感覚でWYSIWYGエディタを使うのではなく、H1~6タグや果てはtableタグに至るまであらゆるものがパーツテンプレートで構成された非常に硬派なものと感じました。
自分はデータの移しの作業要員だったので、そこまで深く触ったわけではないのですが1ページ内で使用する1パーツごとのテンプレートも、恐らくそれ毎にHTMLを登録できるようになっているのだと思います。
中企業さん~であれば、恐らくCMSの造詣もある程度持たれた方がいらっしゃると思いますので、それを考えると中々いい「ガラパゴスCMS」だと思いました。
また、校了や公開などの状態も非常に細かく分類されていました。
この記事の内容でいいか?を確認する際に場合によっては差し戻しなどのステータスも入れられ、プレスリリース等の公的な発表などに非常に適していました。
この「ガラパゴスCMS」はかなり親切な設計です。
WordPressやDrupal等のオープンソースのCMSと違い、サポート体制もきちんとしたものがありますしね。
ただ、自分がデータの移しを行っている中で、一介のページの投稿者としての立場に立った場合、色々難点も見えてきました。
まず一つは、膨大なデータを移す際に、他のCMSとの連携が効かないこと。
CMSを乗り換えた際に膨大なデータの移しを、全て人の手をつかって行わなければならないということでした。
例えば、WordPressやDrupalは共通でMovable Type形式のダンプファイルのインポート/エクスポートが効きます。
そこが、自分が「ガラパゴスCMS」と称した所以で、一切合切の連携が効かないので、乗り換えた際の作業が本当にとてつもなくやりづらいということです。
せめて、CSV機能でもあれば…ということを考えましたが、そこは「ガラパゴスCMS」。お客さんをほかのCMSに逃したくないためでしょうか、インポートはおろかエクスポートも全く出来ません。
インポートが出来ない辺りは流石国産のCMSだと思いました。機械に任せるよりも、一つ一つ丹精込めて手作業でというのは伝統芸だと思いました。(これは自分にもそのような気質はあるので余り大きくは言えませんが・・・)
そして、次がこれは拙いなと思ったことです。
このCMSは恐らく、パッケージソフトとして開発された会社さんがサーバー環境も提供していることなのだと思いますが、少し作業の手を早めるだけで「Bad Request」や「Proxy Error」が頻発したことでした。
一般的に、サイトで使うCMSをサーバーに入れる場合は、恐らく有名なサーバー会社さんの共用サーバーを借りたりすることかと思います。そういったスペースについてはかなりサーバー環境が整備されているので、ある程度膨大なデータとなったとしても、それなりの強固なスペックを持っており安定はします。
自前でサーバー環境を作っているにせよ、これはちょっと・・・と感じたところでした。
最後に、一番気になったところ。それがtableの作成の機能です。
1件内での記事のパーツが少しでも多くなると、tableの作成がとても遅く、そして機能としてのポテンシャルが悪いということ。
プレスリリース等だとテーブルで製品などのスペックを書いたりして、5行×2列などもざらにあることかと思います。
このCMSでは、行と列を1個ずつ追加していく方式であり、それに関してはセルの数を指定して生成する方式のものよりもシンプルな操作で使いやすいです。
ですが、その使いやすさがそのまま悪い方面へと流れていきました。
行と列をたった1個だけ追加するのにもサーバーとの通信を必要としている・・・つまり、ページのパーツが増えれば増えるほど、動作がとてつもなく重たくなるということでした。
感覚的には、格安の共用サーバーに入れた500記事くらいのWordPressのサイトで、記事を公開するときと同じだけの時間が、行と列をたった1個だけ追加するためだけに掛かるといったことでした。
まさか、自分もブランクなtableを作成するのに15~20分もセル追加に待機させられると言ったことになるとは思いませんでした・・・。
更にtable作成の機能は使いやすいだけに残念だったのが、何故かセルの結合に対応していない部分も見受けられたことでした。
ざっくりとなりましたが、こんなところです。
色々と、つらつらと書きましたが、基本的にはいい「ガラパゴスCMS」です。
やはり中企業さん~大企業さんなどを対象とする場合、大衆向けのグローバルなCMSよりも、クローズで硬派な構成、きちんとしたサポート対応が求められるのでこういったCMSのほうがいいのかもしれませんね。
そういった部分を見られたところで、このCMSを少し触って今回はとてもいい経験をしました。