10年後には全て◯◯になる、という言葉ほど信用できない言葉はない

10年後には全て◯◯になる、という言葉ほど信用できない言葉はない

自分がほどなくかつて身を置いていたでの話。(厳密に言うと今も身を置いてはいるものの、半分足をおいているような状態だけど。)

既に何人からか聞いた「10年後には全て◯◯になる」というのは、最近の『流行語』みたいなものだ。

 

AIや高度なロボットなどはその典型と言ってもいいだろう。

 

これはかつてインターネット黎明期でも言われていた言葉。

「10年後には、技術の”ぎ”の字も知らない人が、思うままのWebサイトが自分の思い通りに作れて持てるようになる。」

果たして今はそうなっているか?

 

その答えはNo。

 

確かに、SNSや無料のWebサイト作成などのサービスも増え、素人でも簡単に自分のサイトが持るようになった。

また、ここで使っているようなWordPressなどを利用して少しでも知識がある人は自分のサイトが持てるようになった。

 

けど、それは技術の”ぎ”の字も知らない人が、思うままのサイトを作れるようになったというわけではない。

自分が思うのに近いイメージのサイトの見た目を選んで妥協をしている。

または知る(識る)という手順を踏まないと、自分の思うままに作り上げられない。

 

ただそれだけの話である。

 

10年前に言われていた言葉は、確かに近いものとはなったのだが、イコールには程遠い。

というか、本当にそんなことになっていたら、今頃自分らは日々の制作がどうだの、開発がどうだので悩むこともなかっただろう。

 

自分は、AIや高度なロボットに関しても同じことだと考えている。

 

新聞でも言われていることが、入れるだけの補助がたとえあったとしてもその後の運用のコスト、また、どうしても人の手を入れないとできない部分があるため、ただそれを上から申し付けられても・・・といった話はよく聞く話だ。

 

自分が現在出向いている先でも、そういった話はあったもの。

ただ、自分が聞いた限り、正直なところ全くこの通りで、10年後にはAIやロボットがこの世全ての社会の場にて活躍しているということは到底思えない。

 

大都市の企業においては、既にAIや高度なロボットが導入されているということも、新聞で織込み済。

いわば華やかな世界である。

 

でも、地方ではそうもいかない。それが前述した理由があるからだ。

実際にそういった場所で働く人を見ると、「10年後には全て高度なロボットやAIが人の仕事を取って代わっている」なんて言葉は、「ああ、また夢物語を語っているな」なんて思ってしまう。

(この辺は、AIに付随した人の仕事が新たに生まれるという、いわゆるシンギュラリティがどーのとか言った話もあるけど。)

 

そもそも、AIと高度なロボットが人の仕事を取って代わることを満たすのにはいくつかの複合した条件があると思う。

  • 全ての部品や部材などありとあらゆるものを自社で生産している
  • いわゆる請負企業などのコネクションをあえて持たない
  • 「人の手で作業を行うことが美徳」という考えを捨てている

などなど。

 

でも、そんな企業って結構稀だと思う。

AIや高度なロボットなどの”華やかさ”にスポットが当てられて、テレビでやっていたりするけれど、そんなところはまだほんの一部。そして、これから先に徐々に普及していったとしても、完全にそうなるということはおそらくない。

 

大きな企業、中くらいの企業、小さな企業。

どんなところでも、枝分かれした部品や部材の製作の企業があり、またひとつの製品を作るための機材を作る企業もある。

それらは、「作る」ということに関して、どこかしらで少なくとも人の手を入れている。

 

もし、それらが全て10年後にAIや高度なロボットに全て取って代わられるというのであれば、既に現在の時点で名前も聞かないような町の小さな企業がひっそりとこぞって導入しているはずだ。

そして、今の時点で既にそれが話題に上がることもなくなっているはず。

 

だから、今、自分の手で何かを作っているといった仕事をしている人は安心してほしい。

草葉の影で少なからずとも生き残るので、あなたたちの仕事はなくならない。

 

そもそも、「10年後には全て◯◯になる」と言っているのは、その手の専門家ではなく”華やかさ”に魅せられた人が言っているということ。

その手の専門家が「10年後には全て◯◯になる!私達がそれを10年後に実現するようになんとしても◯◯するからです!」のとは全く異なる。

そして、”華やかさ”に魅せられた人はそういった時代が来るのを待つだけであり、自分でその時代を作るということは行わない。

使う側になることへの期待を、「10年後には全て◯◯になる」と言った言葉を盾に、魔法の言葉としてすり替えているだけだ。

これは、天候の知識がないド素人が「1年後の天気は晴れだ!」と言っているのと、さほど変わらない。

 

10年後には全て◯◯になる、という言葉ほど信用できない言葉はない。